本校における情報活用能力育成の視点
 問題発見・解決における情報を活用するような学習の計画に沿って実践・評価・改善する中で、児童の力が、さらに日常の生活(学習を含めて)の問題解決で、より効果的に発揮できるようなものとなるよう、以下の点での方策が必要であると考えました。

○ 児童が自分事として課題を捉えられるよう、より身近で社会的な文脈での課題設定の工夫が必要であること。
○ 協動的な活動において、対象となる事象や他者との相互的な関わりが活発になる対話をより充実させること。
○ テクノロジーの特性を明確にし、より効果的な活用をすること。
○ 情報の整理・分析の過程おける思考の深まりを支えるスキルを明確にすること。
○ 社会への参画をより意識できるようにするために、情報モラル・セキュリティ領域での指導体系を改善すること。
○ 情報活用能力指導体系表の見直しをすること。

このような検討を踏まえ、特に留意したい点を以下のように「ポイント」として整理。これらを意識化しながらカリキュラムを再編成し、個別最適な学びと協働的な学びに対応する情報活用能力育成のための単元・授業のデザインができるようにしました。


 下図は、「ポイント」を踏まえた単元・授業の進め方の基本的な考え方を図解したものです。横軸には「問題解決」に向けた各過程を、縦軸には「情報活用」時に段階的に行う手法を、それぞれ記載しています。
「問題解決」を行う際のポイントとして「現実的・具体的な文脈で情報を活用する」こと、「情報活用」時のポイントとしては「自主的・自律的に」「対話を通して」行うこととし、双方に共通する具体的な手立てとして、「① 効果的・効率的な問題解決につながるようなテクノロジーの活用」をすること、「② 情報に関する見方・考え方を働かせた思考」をすること、「③ テクノロジーの知識や操作、統計の基本的なスキル」を身につけること、社会への参画を意識し、「④ 合理的・倫理的にテクノロジーを活用する考え方や行動」を身につけること(デジタル・シティズンシップ)を手立てとして掲げています。

 このような単元・授業の展開の中で、テクノロジーを活用しながら対象となる事象や他者との相互的な関わりを活発化させ、対話を通して問題解決への共感的理解や価値観を探るような活動をすることにより、一人一人の個性に応じた見方・考え方が生まれ、情報活用能力が高まるのではないかと考えてます。また、「社会とつながる」個別最適な学びや協働的な学びを実現していくことで、「問題発見・解決能力や情報活用能力のみならず、心を育てながら各教科等で育んでいる資質・能力が相互に結びつくようにする」というねらいもあります。



 児童の汎用的な力や各教科の資質・能力を育成することができるよう、上記の「ポイント」を踏まえた単元や授業構成のフレームをイメージし、総合的な学習の時間では全ての単元において、それ以外の各教科等では、総合的な学習の時間に関連した単元や重点的に情報活用能力を高めたい単元において、「社会とつながる」単元や授業をデザインできるようにしています。
 なお、総合的な学習の時間やこれに関連した教科等の単元では、「問題の発見」~「振り返り」の問題解決の過程を「ステージ」とし、ステージ①、ステージ②・・・と発展的に学習できるようにしています。