令和5年度がスタートしました。一雨降るごとに暖かさが増し、春の過ごしやすい季節になってきました。
しかし、世界に目を向けてみるとウクライナではまだ戦争が続いており、今この瞬間も多数の犠牲者が出ています。戦火を逃れるために故郷を離れ、遠くこの日本にまで避難している方もいます。日本を始め、世界の多くの国がこの戦争をやめさせようと手を尽くしていますが、いまだに止めることができていません。これは正解のない問題です。
中学校の学習は、全てではありませんが多くの問題に正解があります。しかし社会には本当に様々な問題があり、その中には正解がないものや、答えがいくつもあってどれを選んだらよいかわからないもの、今は解決策が見つからないものなどが少なくありません。私のような大人はもちろん、みなさんもこれから正解のない問いに答えていかなければならないのです。
この戦争を止めるにはどうしたらよいのでしょうか。あるいはこの戦争を起こさせないためには、いつ、何をすればよかったのでしょうか。もしもこれから、身の回りで戦争が起きそうになったとしたら、一体どうすればよいのでしょうか。私に、私たちに何かできることはないでしょうか。これは、一人ひとりが考え続けていかなければならいな問題です。
将来ここにいる426名の西の原中2・3年生の中から、一国の、わが国の指導者が誕生するかもしれません。そうでなくともみなさんは近い将来、選挙を通じてわが国の指導者を選ぶ立場になります。「自分がされて嫌なことは人にしない」「まわりの人に喜ばれる行動をとる」「自分も相手も大切にする」そんな、人として当たり前のことを当たり前にできる大人になってください。そんな人を指導者に選んでください。
そういう大人になることをめざして定めてあるのが本校の学校教育目標で、「社会に対応し、心豊かにたくましく生きる若者の育成」というものです。理想とする生徒像の「常識と良識を持った生徒」とともに合い言葉にしていきましょう。
ここに集った生徒のみなさんと、我々教職員とが力を合わせて理想の学校をつくりましょう。生徒のみなさんが通いたい、卒業するときに「西中でよかった」と思える学校、保護者のみなさまが自分の子供を通わせたいと思える学校、勤務している教職員が、教え方を工夫しながら働きたいと思える学校、そんな理想の学校を一緒につくっていきましょう。
「常識と良識」を胸に、3年生と2年生のみなさんが、来週入学してくる新入生のよきお手本となり、大いに成長し、活躍することを期待しています。