「 一人一人が生き生きと学習できる国語科学習の指導 」
― 読みの力を育成するために ―
研究仮説
仮説1
1時間の学習の中に,繰り返し音読する活動を工夫して取り入れることにより,
文章を正しく読むことができるであろう。 〔音読の工夫〕
仮説2
読解力の基礎を身につけさせるための手立てを工夫することによって,
文章の内容を確かに読み取ることができるであろう。 〔読むことの工夫〕
研究内容と方法
仮説1(音読)に関して
(1)学習活動に,音読を積極的に取り入れる。
1時間の授業の中に,音読の時間を位置づける。
○授業の中での,音読活動の中での取り組み。
一人読み,二人読み,交互読み,グループ読み,全体読み,丸読み など
○音読カードの活用 (家庭学習を含めて)
(2)学年のめあてを明確にすることによって,確かに身につけさせる。
(3)意欲的に繰り返し音読するための指導方法を工夫する。
○単元の最初の取り組み
丸を十個書いて,一回読む毎に,○を一つずつ赤丸で塗っていく。
さらに,十回を超えても,一回読む毎に赤丸を増やしていく。など
仮説2(読解力)に関して
(1)語彙を増やすための手立てを工夫する。
一人一人が辞書を手元に置き,言葉を身近に調べられるようにする。
(2)授業の学習過程を工夫する学習形態。
学習形態の工夫をする。個々・2人組・小集団・グループ・全体など
(3)発問の工夫をする。
その時間のめあてに合わせて,主発問と補助発問を工夫する。
児童の多様な考えを導き出せる発問の工夫をする。
〔学習過程について〕
①一人一人の読みを確実なものにするための工夫
○「一人読み」によって,教材文の内容や情報をじっくり読み取らせ,
それぞれに考えを持たせる。
○「はてな読み」をすることによって,読みの視点の押さえ方を身につけさせる。
②グループや集団による考えの深め合いの工夫
○お互いの「読み深め」についての意見交換を行う。
○自分と友だちの考えの異同に触れさせ,叙述を根拠にしながら話し合わせる。
③考えを深め,広げるための工夫
○小集団や全体などの話し合いを生かして,自分の考えを深めたり広げたりする。
〔評価について〕
○単元毎の評価規準をはっきりさせ,その達成のための方策を個々に合わせて考える。
○様々な検査(テストを含めて)の結果や学習の履歴を累積する。
○個々にそれぞれの向上について自覚させる。その手だてとして,単元(又は教材)の初め ときと終わりのときの自分の考えを比較させることによって,その考えの深まりや広がりに気づかせる。