2018/06/01 | 道徳の教科科へ向けて(6.1) | | by:校長 |
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校長 三浦 明久
旧暦では梅雨が明け、暑さで水が涸れることから「水無月」という説や、水田に水が張った状態の「水月」、田植えの仕事が終わる「皆仕月」が変化したという説もありますが、その6月が始まりました。
小・中学校ではこれまでも「道徳」の授業は行われています。読み物資料や社会事象、そして、学校生活などを題材に生徒同士の発言からそれぞれの道徳的価値観を補充・深化・統合することを授業の最終的な目標として取り組んできました。学校で行われる全授業は「学習指導要領」を拠り所に進められていますが、新学習指導要領の実施に先駆け、特別の教科「道徳」として今年度は小学校、来年度からは中学校で本格実施となり、「道徳」が教科として生まれ変わります。所謂、「道徳の教科化」です。教科となるわけですから、検定教科書もありますし、しっかりとした評価をすることにもなります。昭和三十三年の「道徳」の特設以来、道徳教育は全教育活動と関連して実践されてきましたが「教科」となった背景にはいくつかの課題が顕在化した影響があります。例えば、①いじめ防止から、社会性や規範意識、善悪を判断する力、思いやりや弱者へのいたわりなどの豊かな心を育むことが求められていること。②他国の若者と比較すると自己肯定感・自尊感情・自己有用感や社会参画の意識と意欲が低いということに加え、他者とのコミュニケーションや対人関係に悩んでいるということ。などが主なものとして指摘されています。
学校での教育活動は、「命の大切さ」について、教え、学ばせることが全てにおいて優先されるのだと私は思います。道徳の授業を核として、人権教育も含めて「大切な自分、大切なあなた」という考えが全生徒に定着すれば、特別な教科道徳の中で「考え議論する」時、お互いを双方向で認められる関係性ができあがり、「いじめ」発生の最大の防止にもつながっていくのだと思います。
(平成30年度 学校だより3号より抜粋)