今週末の10月16日(金)まで、2人の教育実習生が本校で実習をしています。今年度これで通算3名になります。
今日10月14日(水)は、社会科の実習生が3年A組で精錬授業を行いました。精錬授業とは、教育実習生にとっての研究授業です。実習で学んだことを実地の授業でどれだけ活用できるようになったか、多くの先輩に見せて助言をもらいます。
今日の精錬実習の様子を写真で紹介します。
社会科(公民的分野)の授業が始まりました。教室後方で、多くの先生たちが見守ります。
第2章・個人の尊重と日本国憲法についてのまとめの学習です。まず今まで学んできた基本的人権にはどのようなものがあったのか、確認します。よく手が挙がっていました。
その後、基本的人権同士が対立したとき、どのように解決したらよいのか考えました。そして「公共の福祉」という考え方があることを学び、どのようなときに人権が制限される場合があるのか、具体例をもとに考えました。
交通渋滞が問題となっている仮想の町で、そこに住居のある住民に立ち退きを求め、バイパス道路を建設することができるのか、小グループで考えました。
意見を求めたところ、多くの手が挙がりました。社会全体の利益を考えると、バイパス道路を建設した方がよいので、立ち退きを求めることができるという意見が出ました。
立ち退きを求めることはできるけれど、それはお願いであり、強制的に立ち退かせることはできない、という意見もありました。もともと古くから住んでいた人の居住権があるはずだから、そちらを尊重する必要があり、立ち退きは求めるべきではない、という意見も挙がりました。
どれも大切な考え方で、現実に起きている事例でもあります。少数意見を尊重しながら、公共の福祉のためには、社会全体の利益のためにはどのようにすればよいのか、考えていくきっかけになりました。
3年生はもう後3年後には選挙で投票できる年齢になります。こうした授業を通じて、社会にある問題について、少しでも興味を持って考えていってほしいと思います。
発言意欲が旺盛で、しっかり考えようとする3年生の姿が光り、教育実習生にとって、記憶に残る授業になったと思います。あと2日間の実習が、来年度に少しでも役立つものとなるよう、最後まで頑張ってほしいと思います。