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2016/11/28

既知の情報を絞り出すと・・・(3の2)

Tweet ThisSend to Facebook | by:kishi
 3年2組で担任のかわりに社会科の授業をしました。ささかまぼこの工場の工夫を調べる部分,1時間だけです。使う資料は教科書のみの状況でした。
 たった一つの曲がったさとうきびでも,かつて教えた子どもたちは沖縄の気候,くらし,産業についていろいろと考えられました。資料が少ないからって関係ないのです。知的好奇心を「渇望」させた状況に追い込めばよいのです。

 授業では,まず教科書を仕舞わせました。
「昨日まで担任の先生に教えてもらったことだけで,ささかまぼこの工場がしていると思われる工夫を予想して書きなさい。あたりまえのことから書くと,たくさん思いつきますよ。はじめ。」
「えーなんだろう・・・・」「うーん」
といいつつも,子どもたちはどんどん書いていきます。

「やめ。」
 この後,「協力」,「機械使用」,「清潔さの確保」,「運輸との連携」などの,子どもたちから意見として出てくるであろう「ありがちな工夫」を私から先に言ってしまいました

 そして,「それ以外には?」と訪ねました。
 さぁ,子どもたちネタ切れか?
 いえ,まだまだたくさんありました。



 上の写真は,他の工夫についてそれぞれが書いたことを発表している場面です。

 えーこんなことまで思いついたの?子どもたちは既知の情報を絞り出していたのです。
 でも,限界があります。「情報の根拠を保証するもの」がしっかりしていないのです。知的な状況としては,「喉カラカラ」なのです。

「じゃあ,教科書を開いて。」
 子どもたちの目が輝きました。そして,むさぼるように教科書にかじりつきはじめたのです。
 既知の情報を絞り出すと,猛烈な勢いで新情報を探そうとする。情報同士を組み合わせて新たな情報を作る。
 子どもは知的な存在なのですね。


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