4年1組 「特別の教科 道徳」
本校の研究の中で「クロームブック等のICT機器を使いながら話し合い活動をすることの難しさ」が課題となっていました。どうしたら,ICT機器を使って話し合いを成立させるのか。ロイロノート・スクールの特徴を生かせばなんとかなるかもしれない,と考え授業をしました。
ICT関わるねらいとして「
ロイロノートの特性を生かし,考えを人に伝わりやすいよう文や言葉で表現することができる。」を設定し,「特別の教科 道徳」で授業を行いました。
資料は,コールバーグ理論で話し合いに定評があるジレンマ教材「ぼくの父さん」でした。
過程は【資料の内容確認】→【考えを書く】→(考えの分布確認)→【考えの共有】→(考えの分布確認)→【話し合い】→(考えの分布確認)→【まとめ】としました。
話し合い学習でどうしてもネックとなるのが,
① 時間が不足する
② 微妙な考えの違いをすくいあげられない
③ 発表の苦手な子が表現しないまま終わる
ということです。
この欠点を防ぐために,【考えの共有】で行う「全員文章発表」(全員内容確認)を設定しました。自分の考えをロイロノート・スクールの提出箱で全員が同時に発表 するというシステムです。これが本時の授業の「肝」でした。ロイロノート・スクールのような学習支援ツールなら,「全員文章発表」が可能になるからです。
「全員文章発表」の後は話し合いをしました。子どもたち主体に話し合いをさせ,授業者は話し合いをあまりコントロールしないようにしました。子どもたちは2つの道徳的価値の間で葛藤し,20分間でのべ34人の発言がありました。意見を言う子以外は,「指で友達の発表を聞く」(友達の考えの要約やよかったところをタイピングする)という日頃からの学習と同じようにしました。分速200文字程度打てる子どもたちが多いので,聞きながらのタイピングは普通にできていました。
授業後に「Forms」で子どもたちにとったアンケートや感想の結果も上々でした。この授業を通して,ロイロノート・スクール等の学習支援ツールの特性を使って話し合い活動は十分にできると感じました。
話し合いの進行と同時に,キーボードを打つ授業。道徳の授業としては,「違和感」を感じる教職員も当然のことながらいました。しかし,友達の大切な意見を一言も聞きのがさない構えで,集中してキーボードを打つ子どもたちの姿は,友達を心底大切にする姿であってと考えています。