長年研究してきた「国語」でICTを活用した授業にチャレンジしたいと思いながらも、1年生で、どこで活用したら有効で、学習効果が上がるのか、今日の授業にたどり着くまでにたくさんもがいた。ロイロノート・スクールの「共有ノート」を使って、話し合い活動をしたり、「ジャムボード」を使って写真に吹き出しを書き入れる学習をしてみたりしたが、効率が悪かったり、文字入力の時間差が大きかったりして、思うように授業の組み立てができなかった。ようやく「スイミー」の「文章の姿」を捉える場面でロイロノート・スクールを使う授業ということで落ち着いた。
【よかったこと】
・子ども達が、最後まで集中して学習に取り組めた。また、タブレットの活用場面が有効であり、子ども達の思考や主体性が見られた。
・美しい挿絵をそのまま使えるよさや心情の変化をカラーテキストで表し、視覚的思考ができるICTのよさが発揮された。
・挿絵と場面をまとめた文の並び替えをすることで、本文を読むことの必然性があった。子ども達は、本文をよく読みながら、タブレットをうまく操作していた。
・まずは、一人読みに挑戦し、次にグループの友達との交流を通して捉えさせたが、タブレットリーダーを中心に、既習事項を振り返りながら話し合いがよくできていた。意見交流した後、思考し、修正が簡単にできるのもICTのよさである。
・並び替えをした「文章の姿」に、主人公のスイミーの気持ちの変化を「水色(悲しい)・ピンク(よかった)・黄色(がんばった)で表す。」と、子ども達から出たところがよかった。そこに心情曲線を書き入れることで子ども達がよく考えていた。それを大型モニターに一斉に映して比較し、話し合いに活用できた。
・学習の最後に「これから、みんなはスイミーになりきって勉強していくよ。」と告げると「ヤッター。」と意欲を見せてくれた。
【改善点】
・心情の変化が一目でわかる立体的な文章の姿ができたが、それを生かした「よみのめあて」を考えさせる発問が難しかった。子ども達にとってどう答えたらよいのかストンと落ちなかったため、時間を要した。
最終的には、多くの児童が「スイミーの心情の変化を読んでいきたい」という主題に迫るものに近づいたが、これからの授業で課題を明確にしていきたい。
・板書と大型モニターとの兼ね合い。
・国語は、自分の考えを自分の言葉で書いたり、発したりさせたい。また、交流を通して思考を深めたり、他者の考えを認め、合意形成をしたりして豊かな心情、言葉の使い手、人との関わりを学ばせたい。そこに、ICTをどう組み込ませるのか有効な活用場面を模索していきたい。
【今後の授業】
・ICTを活用し、美しい挿絵にスイミーのつぶやきを書いていく。そして、家の人に向けた「スイミー、読み聞かせブック」の台本としてまとめ、本文とスイミーの気持ちを想像して書いたつぶやきをサンドイッチ読みしていくことで、物語の世界をより豊かに味わわせたい。