本校の情報活用能力体系表(指導内容リスト)には、「考えるための技法」も位置づけています。この「考えるための技法」について、新学習指導要領解説総合的な学習の時間編では次のように記載されています。
””「考えるための技法」とは,考える際に必要になる情報の処理方法を,例えば「比較する」,「分類する」,「関連付ける」など,技法のように様々な場面で具体的に使えるようにするものである。””
そして、以下のような解説があります。
”” (1) 考えるための技法を活用する意義
物事を比較したり分類したりすることや,物事を多面的に捉えたり多角的に考えたりすることは,様々な形で各教科等で育成することを目指す資質・能力やそのための学習の過程に含まれている。例えば,理科においては,電気を通す物と通さない物を調べる際に,実験の結果を表などに分類,整理する。家庭科においては,食物を私たちの健康における意味・機能に基づいて分類したりする。特別活動(学級活動)においては,話合いの中で児童から出てきた意見を基に,記録を担当する児童が賛成意見と反対意見に分けて板書したりする。こうした過程においては,対象や活動が異なり,かつそれぞれの教科等に特有の見方・考え方も関わっているが,対象を何らかの性質に基づいて分類し,気付きを得たり理解を深めたりするという思考が行われていることについては共通している。
「考えるための技法」とは,この例のように,考える際に必要になる情報の処理方法を,「比較する」,「分類する」,「関連付ける」のように具体化し,技法として整理したものである。総合的な学習の時間が,各教科等を越えて全ての学習における基盤となる資質・能力を育成することが期待されている中で,こうした教科等横断的な「考えるための技法」について,探究的な過程の中で学び,実際に活用することも大切であると考えられる。・・・略・・・””
さらに、総合的な学習の時間において,「考えるための技法」を活用することの意義については,大きく三つの点が述べられています。
”” 一つ目は,探究の過程のうち特に「情報の整理・分析」の過程における思考力,判断力,表現力等を育てるという意義である。情報の整理・分析においては,集まった情報をどのように処理するかという工夫が必要になる。「考えるための技法」は,こうした分析や工夫を助けるためのものである。
二つ目は,協働的な学習を充実させるという意義である。「考えるための技法」を使って情報を整理,分析したものを黒板や紙などに書くことによって,可視化され児童間で共有して考えることができるようになる。
三つ目は,総合的な学習の時間が,各教科等を越えた全ての学習の基盤となる資質・能力を育成すると同時に,各教科等で学んだ資質・能力を実際の問題解決に活用したりするという特質を生かすという意義である。「考えるための技法」を意識的に使えるようにすることによって,各教科等と総合的な学習の時間の学習を相互に往還する意義が明確になる。””
学習指導要領にある各教科等の目標や内容の中に含まれている思考力,判断力,表現力等に係る「考えるための技法」につながるものとして、以下のものが例として考えられます。
○ 順序付ける
・ 複数の対象について,ある視点や条件に沿って対象を並び替える。
○ 比較する
・ 複数の対象について,ある視点から共通点や相違点を明らかにする。
○ 分類する
・ 複数の対象について,ある視点から共通点のあるもの同士をまとめる。
○ 関連付ける
・ 複数の対象がどのような関係にあるかを見付ける。
・ ある対象に関係するものを見付けて増やしていく。
○ 多面的に見る・多角的に見る
・ 対象のもつ複数の性質に着目したり,対象を異なる複数の角度から捉えたりする。
○ 理由付ける(原因や根拠を見付ける)
・ 対象の理由や原因,根拠を見付けたり予想したりする。
○ 見通す(結果を予想する)
・ 見通しを立てる。物事の結果を予想する。
○ 具体化する(個別化する,分解する)
・ 対象に関する上位概念・規則に当てはまる具体例を挙げたり,対象を構成する下位概念や要素に分けたりする。
○ 抽象化する(一般化する,統合する)
・ 対象に関する上位概念や法則を挙げたり,複数の対象を一つにまとめたりする。
○ 構造化する
・ 考えを構造的(網構造・層構造など)に整理する。
※上記は例示であると同時に,漏れなく重なりなく列挙するものではなく,関わり合うものです。
本校ではこれら「考えるための技法」を「思考スキル」と捉え、
。設定する「問い」がどの「思考スキル」を必要としているのか見定め、授業を展開していきます。また
「思考スキル」に合わせた「思考ツール」を選択させて活動することにより、一人一人の学びを深めていくようにします。